愛した思い出は美化するだけでは終われない。
先日、4年ほど共に過ごした愛してた人との終わりを迎えた。
出会った場所は当初働いていたキャバクラで、
私には3歳になる息子がいた。
別れた場所は私の家で、
4年間一緒に飼った犬と、
うさぎと8歳になった息子と私が居た。
好きか嫌いかで言うと好きだった。
あの人が話す内容はいつも、
私が普通に生きてたら知らなかっであろうことばかりで。
ウシジマくんを間近で味わっている様だったから楽しかった。
血の繋がらない私の息子を愛し、動物を愛し、
私の作るご飯を美味しいと食べてくれた。
でも、私の事は愛してくれていたのか未だにわからない。
彼の口癖は、"お前とは生きてる世界が違う"
"お前に言ってもわからない"だった。
だから私はそれを鵜呑みに取りわからないのならわかる時を待とうと思い過ごした。
付き合ってからすぐ同棲をした私達はすれ違うことも多く、1ヶ月に一度性を果たすためのみに行われたセックスが悲しかった。
そんな事をしなくても毎晩抱き合いながら寝たかった。
行ってきますのキスを馬鹿みたいに毎回していたかった。
貴方がどこで何をしてお金を稼いでるのか詳しく知らなくてもいい。
家にいて私と息子と笑ってくれたらいい。
私はそれだけだった。
いつからだろう、子供が眠り、夜中2人きりになる換気扇の下でタバコを吸い、何も喋らなくなったのは。
いつからだろう、部屋が散らかってる事にムカついてしまったのは。
いつからだろうか、別々のベッドで眠ってる事に寂しさを感じなくなったのは。
そばに居て当たり前になりすぎてしまった私は、彼が言葉にする夢や今後の未来に対して疑問を持ち始めてしまった。
それ、いつ叶うのかな。そんな事しなくても今笑えたら、毎日くだらない事で笑い合えたら、それだけで私は幸せなのにな。
将来の事を考える彼と今のことを考える私に、
破裂ができ始めて、気がついた頃にはもう修復不可能だった。
そして終わった。
4年間ほぼ毎日一緒いた人、
換気扇の下でずっと話してたのは私で、
それをめんどくさそうに聞き流すのが彼だった。
息子と一緒に思いっきり寝てる彼にダイブして
ダル絡みして笑ってたのは私と息子だけだった。
彼が最後に私に向けた笑顔はいつだったんだろうか。
イラついた事もムカついた事も正直消えてしまえとすら思った事もあった。
でもこれで良かったんだ。
このままダラダラと関係を続けていても
お互いに不満を抱えて何度も何度もぶつかり合って、
それで乗り越えられるほど、綺麗な恋では無かったから‥‥‥
純粋な愛では無かったから。
彼は最後私にこう言った。
"前の女が忘れられない"
と。
ならなんで4年間も一緒にいたんかな。
貴方にとってなんの時間だったんかな‥。
もう聞くまでもなく、
終わってしまったこの恋に、愛しすぎてしまったこの愛を、、、
私は美化できるわけもなく、どんな失恋ソングを聴いても何も心に刺さらないまま毎日を過ごしてる。
いろんな苦労乗り越えて、それでも一緒にいたね!って、笑い合える未来をずっと私は想像してたよ。
愛しすぎてしまって、いろんな事がありすぎてこの愛した4年間を美化できるわけもなく、涙を流しながら毎晩過ごしてる。
青春の恋とは程遠い、
汚くて、ずるくて、ガタガタだった。
貴方を本気で愛していた、
もっと愛されたかった。
愛してくれてる実感が欲しかった。
離れても、失恋ソングを聴いても美化されないよ。
こんなに愛してて好きだった人のこと美化できる日が訪れた時、私は改めて思うだろう。
"貴方を愛して良かった"
そんな日が来るまで、今は時の流れに身を任せてみよう。
そしていつか、こんな恋愛もしてたなって思い出すだろう。
でもまだ時間が足りないようで、
思い出を美化するには難しすぎる。
愛した思い出は美化するだけでは終われない。